僕のお気に入りのウォーキングコースに一匹の犬が寝そべっていたんです。
もういつのことか、ずいぶん若い頃。
なんとなく物憂げな表情に惹かれながら通り過ぎましたが、また次の日も。

「どうした、ひとりなの？」

声をかけると、首輪はなく足に怪我をしているようで。
嫌がるそぶりはなく僕の目をじっと見つめていました。
僕を選んでくれたんでしょうね。
今思い返してもそうとしか思えない。

痛いとも言わない
寂しいとも言わない
寒いとも言えない
でもわかったのです、
この子の伝えたいことが。

そうか、痛くて歩けなかったのか。
抱っこすると安堵の表情をみせる。
守ってあげよう！

その時の気持ちは今でも思い出せる。
そんな愛おしい気持ちになったことが初めてだったから。

翌日リードを買いに行ったけど、どうもこの子に似合わない。
なんでもいい　じゃない。
この子にしか似合わない　ものがあるはず。
この子が踊りたくなるような首輪を探そう！

と思ったのが、kafukafu【幸せ】の始まりです。